モーサムの新譜『Rise from HELL』と他色々について語りたい

以前、「最強のオルタナティブバンド」と題して、僭越ながらモーサムのおすすめアルバムを紹介させていただきましたが、STRUGGLE以降のアルバムにほとんど触れてないのにお気づきだったでしょうか。

そう!今日の日記のためだよ!(爆発)



「最強のオルタナティブロックバンド」と同時に「最強のスリーピースバンド」だと僕が勝手に思っていた思われていたモーサムが4人体制(ドラムの勇さんのギター転向&バイプレイヤー化、サポートドラム水野さん加入)になり、STRUGGLE以降のアルバムはそれまでとはまた違う雰囲気になっていくのですが、やはり超絶ポップに振り切れた前作『SING』からの反動か、『STRUGGLE』はツインギターやツインドラムなどを全面に押し出したハードなサウンドで復活したわけです。前のブロマガでもおすすめしたけど、かなりいいアルバム。

↑アルバム発売前にTSUTAYAレンタルのみで発表されたLIVE音源中心のミニアルバムの音源。レンタル限定とはいえ、こんなノイズまみれの音源を売ったモーサムはやっぱりヤバい。実はレンタル落ち商品として2~300円で手に入ったりする。僕は2枚持ってます(白目)。欲しい人いたらtwitterでDMでもください(限定1枚)

そのあとはベスト盤の発売をはさみ、『Strange Utopia Crazy Kitchen』(略称SUCK)を発表。「Shining」のシューゲイザー、「metaluca」のメタル、パンクな「Punk is already dead」、ポップな「happy new year」、わけわかんない「ElectBoys」と、モーサムらしい(笑)はちゃめちゃなアルバムになりました。


次作『Baseball Bat Tenderness』はなぜか競馬のCM曲になった「FEEVEER」などなど、全体的にぶっ飛んだアルバム(いつもだけど)。僕としてはなによりレコ発ライブに行けたのが一番の思い出ですかね。STRUGGLE発売前(すでに4人モーサム)にザ50回転ズとねごと対バンした時以来、3年ぶりのモーサム。ワンマンとしては高校3年の10月に行った「SING」ツアー(僕の人生のなかで初のライブ観戦)以来という。あのときは大変だったなー。ライブハウスのシステムがわからなくて、ライブ開始前にだいぶ物販でグッズ買っちゃってそれで(長くなりそうなので割愛)


まぁそんなこんなでかっこいいモーサム!(適当) geek sleep sheepの話とか百々ソロの話とか大事だけど割愛するよ!ググれ!

やっと本題の新譜レビューです。だいぶファン目線だけどごめんね

幾多の困難を乗り越え、インディーズに戻ったモーサムトーンベンダーももクロ風)。インディーズのフレキシブルさをフルに活かしてミニアルバムの連続リリースに打って出ます。その第一弾リリースが今回する『Rise from HELL』。通称地獄盤。

当初HPなどでは「初期のモーサムを連想させるヘヴィなハードコアやガレージロックを中心としたイーヴィルな一枚。フルスロットルで地獄からの脱出を試みるかのような、壊れたテンションの高さがたまらない内容。」という告知がされていました。

その文章を読んだとき、「え、初期への回帰なんて無理やろ」って思ってしまったのが正直な感想。アルバムごとに違う顔を見せるモーサムが、結成18年目にして初期のモーサムのような音源を作るのは無理だろうと。逆に言えばそんなモーサムでもライブでは最初期の曲をガンガンやっていて、それがめちゃくちゃかっこいいんですよ!こないだのワンマンでも「windowpain」とかやってたからね https://www.youtube.com/watch?v=-UfRJ5Pec5k 

じゃあこの新譜は新機軸とは言えないのか。どんなんだ。とか要らぬ心配をしながらも、音楽を聴き始めのころから今もずっと聴いてるバンドとして、そして一番好きなバンドだからこそ、わざわざ期待することもなく待ってたんですが、「トーキョーロスト」のPVを観て期待感はうなぎのぼり。そしてなんとなくCD屋でフライングゲットして買い、一聴した感想としては

ま、最高ですね。


久しぶりにその場ですぐ音源を聴き返してしまうほどドハマりしてしまいました。なにこれ。

はっきり言って僕としては「初期のモーサムを連想させる」感じは全くないんです。でもなぜか感じる若干の懐かしさ。僕が近年のモーサムに感じている歌詞のダサさが斜め上に吹っ切れた感じで、ストアドやロッキンルーラの頃のシングルのカップリング(「outdoor」や「ダミアン」など)やコンピなどへの提供曲でモーサムが見せるふざけながらもぶちぎれているような曲だらけなんですよ。このミニアルバムは。

ボーカルギターの百々さんのインタビュー記事(http://ototoy.jp/feature/20150422)を見ると、普段アルバムを作るうえでメンバーで曲を出し合ってデモを作る(モーサムはメンバー全員がそれぞれ作曲をして、それに百々さんが大体歌詞を付けている)なかで、アルバムの全体像を見据えて曲をお蔵入りにしなければならず、そのことでよくメンバー内で揉めてしまうとのこと。そこでインディーズになったタイミングでいっそアルバムを2枚出そうということになったそうです。そして今回は作った16曲を地獄盤と次にリリースされる天国盤の二つに分けたそうです。

そういう経緯を知ると、カップリングっぽさを感じるのも納得ですね。ま、そんなの感じてるの僕だけかもしれませんが。

1曲目の「トーキョーロスト」から重苦しいイントロ。そしてそれを解放するかのようなサビとブチギレモードをガンガン出していってますが、次の曲「メタルボーイ」はいわばこのアルバムのテーマソングといった感じで、ロボットアニメのOPのような超絶ダサい歌詞を勢いでぶちかましてるような感じが素晴らしいです。ギターソロの入りがメタルっぽすぎて毎回吹く(笑)

以前、モーサムYOUTUBEにデモ音源としてメタルカ(仮)という曲(https://www.youtube.com/watch?v=ig1TghXnriU)を発表し、適当英語とスキャットまみれのあまりにぶっ飛んだ曲に大喜びした僕が、SUCKに収録されている‟しっかりと日本語で歌っている”「metaluca」を聴いて、「なんか違う(´・ω・`)」となった事件があったんですが、今作ではアルバム全体を通して勢いとブチギレ感に満ちており、歌詞のダサさを感じないという境地に達していると感じます。

3曲目の「ハナタラシ vs ワンダーボーイ」は特にお気に入りで、このブレイクからドーンとぶちかます感じが最高ですね。C.O.Wのころとかやけにブレイクが多くて好きなんですが、この曲もかなりいいです。

重苦しいHIP HOPな「カルチャー」をはさみ、5曲目~7曲目も「バイオレーターデストラクション」「平民貧民大貧民」「ジャムパンちょうだい」とド激しいナンバーが続きます。モーサムで「オイ!オイ!」なんて定番のコーラス聴くと思わなかった。ジャムパンなんてノイズまみれだし、ボーカルの熱量もやばいことになってるし。もうやばいっす。(語彙力ゼロ)

激しい曲の連続でおなか一杯になってるところにラストの8曲目「イミテイションシティ」。はっきり言って全然意味わからないですw。ベースの武井さんボーカルのエレクトロ歌謡?なんですが、「女も酒も浴びてきた」とか「オレはサムライ」とか言ってるし。えっえっ!ってなってるうちにアルバム終わり。えっ!?(これしかいえない)


\チェスト!/


まぁそんなこんなですごいアルバムです(白目)。インタビューでも言ってたけどモーサムにミニアルバムっていう形式はあってるんじゃないかなーと思いましたよ。アルバムごとに作風バラバラというけど、一つのアルバムの中でも方向性バラッバラなときたまにあるもん(笑) 今回は最後の曲も含めて、かなり決まってると思いますね。なんとなくですが

あと前回のブロマガのテーマにもしたモーサムファン永遠のテーマ、「モーサム初心者には最初にどのアルバムを聴かせるか」問題にも今回のアルバムは食い込んでくると思いますね。今回の『Rise from HELL』を聴いたら、確実に他のアルバムも聴きたくなると思います。そうしたらこっちのもんです。

そして次作の天国盤にも大期待なわけですよ。また別のインタビュー(http://belongmedia.net/2015/04/28/%e3%80%90interview%e5%89%8d%e5%8d%8a%e3%80%91mosome-tonebender%e3%81%ae%e7%99%be%e3%80%85%e3%81%8c%e8%aa%9e%e3%82%8b%e3%80%81%e3%83%90%e3%83%b3%e3%83%89%e3%81%a8%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%ae%e7%be%8e/
によると、「地獄盤に振り切れた曲を集めたわけではなくて、天国盤にも振り切れた曲はある。天国盤は開放感があって、魂が昇天するイメージかな(笑)」とのこと。なにそれこわい。

あと行けるかわからないけどライブも超楽しみです。6/19札幌ベッシーホール。僕の人生初ライブ、そして初モーサムと一緒のライブハウスですよ。これはアツい